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子どもが一人で登下校や電車通学をするようになると、通学の安全性や防犯面に不安を抱く保護者も少なくありません。登下校中の声かけやつきまといがニュースで取り上げられることもあり、通学時は特に注意が必要です。
登下校の安全を守るためには、威嚇ブザーやGPS機能付き端末などのツールの活用が有効ですが、それだけでは十分とはいえません。親子で防犯意識を共有し、具体的な行動ルールを決めておくことが重要です。この記事では、登下校や通学に役立つ防犯対策をご紹介します。
登下校では、声かけやつきまとい、見通しの悪い場所での接触など、子どもが巻き込まれやすい危険が多くあります。まずは「どこで何が起こりやすいのか」を把握しましょう。
近年、子どもの犯罪被害への警戒が強く求められる状況が続いています。警察庁が公開した統計によると、令和6年(2024年)における被害者が少年(19歳以下)の刑法犯認知件数は106,651件にのぼり、子どもにとって重大な被害となる不同意わいせつや略取誘拐などの重要犯罪も増加傾向にあります。
図表データ4-2-1 被害者の年齢(少年・20歳以上)別刑法犯認知件数、人口千人当たり刑法犯認知件
図表データ4-2-2 主な罪種・手口における少年被害認知件数
登下校中の子どもは、さまざまなトラブルに巻き込まれるおそれがあります。どのようなトラブルが起こりやすいのか見ていきましょう。
不審者は子どもに近づくために、さまざまな誘い文句を使うのが特徴です。例えば、「お菓子をあげるから家まで一緒に行こう」という甘い言葉や、「道に迷ったから案内してほしい」と助けを求めるふりをするような声かけがあります。また、車に乗った状態から「乗せていってあげる」と誘ったり、「カメラのモデルになってほしい」などとだまそうとしたりする事例も報告されています。
つきまといには、不審者が子どもの後を執拗につけてくる、子どもの通学路と同じ道を歩き続けるといったケースがあります。単に尾行されるだけでなく、不審者が何度も同じ場所に立って待ち伏せしたり、自転車などで先回りをして子どもを不安にさせたりする事例も少なくありません。
人けの少ない場所では、周囲の目が届きにくい環境を悪用し、不審者が体を触ってきたり、無理に連れ込もうとする事案が発生することがあります。このような接触事案は、人通りが減る夕暮れ時や、見通しの悪い裏道などで発生しやすい傾向があります。
犯罪や危険な事案は、特定の環境で発生しやすい傾向が見られます。子どもが登下校する際に、トラブルが起こりやすい場所の特徴を知っておくことで、リスクを避けやすくなるでしょう。
裏道や細い路地は、主要な通学路から外れており、人通りが少なくなるため、子どもへの声かけやつきまといといった行動を起こしやすい環境です。特に、下校時間が遅くなった夕方以降は、人目がさらに減るため警戒する必要があります。近道であったとしても、人通りの少ない道は避けるべきです。
人目が届きにくい場所とは、死角や密室になりやすい場所です。具体的には、マンション内の見通しの悪い通路やエレベーター、立体駐車場や地下駐車場などが当てはまります。エレベーターでは、不審者と二人きりになる状況も想定されます。
道端に停車している車や、駐車場にとまっている車の横を通る際も、注意が必要です。車内には人が潜んでいる可能性がある上、急にドアが開けられるなど、子どもが巻き込まれるリスクがあります。もしも、不審者が待ち伏せしていた場合、車内に引きずり込まれるおそれも否定できません。
登下校中の危険は、不審者による犯罪行為だけではありません。交通事故も子どもにとって大きな脅威となります。特に交差点や横断歩道は、事故が発生しやすい場所であるため、細心の注意を払う必要があります。
交差点は、左右から曲がってくる車との接触事故が発生しやすい場所です。2024年に全国で発生した交通事故は290,895件で、そのうち交差点での事故は169,284件と、6割近くを占めています。信号が青であっても、急いで曲がってくる車が子どもの存在を見落とすおそれがあります。また、信号無視をして突っ込んでくるなど、危険な車両にも十分に警戒しなければなりません。
出典:一般社団法人日本損害保険協会「全国交通事故多発交差点マップ(2024年データ準拠)」
横断歩道は歩行者優先ですが、運転手が子どもを見落とすことで事故につながるケースは後を絶ちません。また、歩行者優先のルールを守らない運転手もいます。横断する際は、渡る前に必ず左右の安全を確認し、手を挙げてドライバーに横断する意思を伝えましょう。そして、車が完全に止まったことを確認してから渡ることが大切です。
飛び出しによる事故は、子どもが急いでいるときや、遊びに夢中になっているときなどに起こりやすいです。塀や植え込みの陰、駐停車している車両の影など、運転手から見えにくい隠れた位置から急に道路へ出てしまうと、車は避けられません。道路へ出る前は必ず立ち止まり、左右の安全をしっかり確認する習慣を身につけさせることが、事故防止につながります。
危険は完全に避けられませんが、通学時や日常の行動を工夫すれば、リスク軽減につながります。
不審者は、一人でいる子どもを狙う傾向があるため、できる限り集団で行動すれば、犯罪に巻き込まれるリスクの軽減につながります。登校や下校の際は、近所の友達や兄弟姉妹と一緒に行動しましょう。一人で通学する場合は、人通りが多い道を選び、早朝や夕方遅い時間帯の行動を避けるといった工夫が必要です。
不審な人物から声をかけられた場合、絶対に立ち止まってはいけません。不審者に近づいたり、話を聞いたりしないようにしてください。相手と距離を保ちながら、「知りません」「助けはいりません」などと大きな声で拒否し、すぐにその場から離れます。また、不審者がしつこく追いかけてくる場合は、大人がいる家や店に駆け込むなど、逃げることを最優先に考えましょう。
前述したとおり、駐停車している車の横は、「急にドアが開く」「車内に引きずり込まれる」などの危険があります。不審な車には決して接近せず、車から距離を置いて歩き、万が一車が追いかけてきた場合は、車の進行方向とは反対へ逃げると効果的です。防犯と交通安全の両面から、駐停車車両のそばを通る際は常に警戒しましょう。
困ったときや危険を感じたときに、どこへ行けば助けを求められるのかを事前に知っておけば、子どもは落ち着いて行動しやすくなります。徒歩通学でも電車通学でも共通して役立つ場所を押さえておくと安心です。
交番には警察官がいるため、子どもが危険から逃れてすぐに保護を受けられる場所として最も信頼できます。通学路やよく行く場所にある交番の位置を、親子で日頃から確認しておきましょう。
ただし、警察官はパトロールなどで不在のこともあります。その場合は、以下の方法に切り替えてください。
地域によっては、「子ども110番の店」や「子ども110番の家」など、助けを求めた子どもを受け入れ、一時的に安全を確保してくれる協力店舗や家庭があります。目印のステッカーがあるため、マークの意味と駆け込んでいい場所だと子どもに教えておきましょう。
コンビニエンスストアやスーパーマーケット、図書館など、多くの人が利用し、店員や係の人がいる店舗や施設も、緊急時に駆け込む場所として有効です。周囲の目が多く、不審者が近づきにくい環境であるため、一時的な安全確保に役立つでしょう。
電車通学をしている場合、駅員室は困ったときに頼れる場所です。迷子になったり、体調が悪くなったりしたときはもちろん、不審者に遭遇した場合にも、駅員に相談すれば適切な対応をしてもらえます。駅構内での安全確保のために、駅員室や改札口の窓口の位置を確認しておくとよいでしょう。
子どもが複数人で一緒に登下校するグループ登下校は、不審者が声をかけたり、つきまとったりするのをためらわせる抑止効果が期待できます。近隣の友達や兄弟姉妹と時間を合わせて、できるだけ複数で行動するように習慣づけましょう。
子どもの登下校の安全は、家庭での準備と日頃の習慣によって大きく左右されます。親子で防犯意識を共有し、無理なく継続できる体制を整えましょう。
親子で一緒に登下校ルートを歩き、安全な道と避けたい危険なエリアを確認しましょう。具体的には、「人通りの少ない裏道はないか」「夜になると暗くなる場所はないか」といった点をチェックします。また、時間帯によって危険性が増す場所も共有し、危険な場所を避けるための迂回ルートなども話し合っておくと、子どもの安全確保につながります。
不審者に遭遇した際など、万が一トラブルに巻き込まれた場合の具体的な行動を、親子で一緒にシミュレーションしておきます。例えば、「大声を出す練習」「助けを求める場所への逃げ込み方の練習」などが挙げられます。事前に練習しておけば、子どもが実際に危険に直面した際にパニックにならず、落ち着いて対応できるでしょう。
子どもの普段の帰宅時間を把握し、予定より遅れる場合の連絡方法をあらかじめ決めておきましょう。「帰宅時間がいつもより〇分以上遅れる場合は必ず連絡する」といったルールを設定すれば、異変に気づきやすくなります。特に、電車通学をしている場合は、電車や運行の遅延時の対応や、運行情報アプリの使い方なども親子で共有すれば安心です。
バッグや帽子などの持ち物に名前を書く際は、外から見えない位置に記入するようにしましょう。外から名前が容易に確認できる状態では、不審者に名前を呼びかけられ、知っている人だと思い込み、ついていってしまう危険性があります。個人情報保護の観点からも、記名場所には注意が必要です。
家庭内でも、登下校の安全を守るための体制を整えておくことが欠かせません。子どもが一人で鍵を開け閉めする際の鍵の管理方法や、威嚇ブザーやGPS付き見守りツールの使い方などを、日頃から確認しておきましょう。また、緊急時に家族に連絡を取れる手段があれば、安心して通学できます。
防犯ツールは、ただ子どもに持たせるだけでは十分な効果を発揮しません。万が一のときに子どもが正確に操作できるよう、親子で使い方を共有し、実践的な行動が取れるようにしましょう。
威嚇ブザーは、ランドセルの肩ベルトに固定すると手を伸ばしてすぐ引けます。また、ストラップを使うと、小さな子どもでも扱いやすいでしょう。使用方法を親子で練習しておくと安心です。
威嚇ブザーが周囲に危険を知らせる手段であるのに対し、GPS機能や通知サービスは日々の見守りに役立ちます。
GPS機能付きの見守りツールであれば、子どもの現在地をリアルタイムで確認できます。予定時刻を大幅に過ぎても帰宅しない場合や、予定外の場所に立ち寄っている場合に、居場所の把握に役立ちます。
見守りツールの位置情報や通知機能は、子どもが「いつ」「どこ」を通ったかが分かるため、帰宅タイミングの把握に役立ちます。親が留守中でも、子どもの帰宅状況を確認できます。
ツールだけでは危険の察知ができません。そのため、使い方だけでなく、万が一の行動手順も親子で事前に共有しましょう。もしもの場面を想定してシミュレーションを行えば、パニックにならず冷静に行動できる可能性が高くなります。
子どもの安全を守るためには、家庭の取り組みだけではなく、社会全体が協力して支える体制が求められます。学校や地域が持つ見守りの仕組みを活用し、登下校の安心を高めましょう。
学校が作成する安全マップには、通学路の危険箇所や、緊急時に駆け込める場所などが示されています。親子で安全マップを確認すれば、安全意識を高められます。また、学校で指導された防犯上のルールについても、家庭で確認しましょう。
子どもの安全を守る上で大きな力となるのが、地域で行われているボランティアによる登下校時の見守り活動です。また、「子ども110番の家」といった地域の協力店舗も、子どもの緊急避難場所として活用できます。地域全体で子どもたちを見守る意識が、登下校の安全につながります。
GPS機能付きの端末だけでなく、登下校や電車通学の状況を把握できる通知サービスも普及しています。特に、電車通学の子どもがいる家庭では、駅の改札通過情報を活用したサービスを導入すれば、毎日の状況をより正確に把握できます。
「まもレール」は、電車通学の子どもを持つ家庭に向けた見守りサービスです。ICカードの改札通過情報が通知されるため、日々の通学状況の確認に役立てられます。
「まもレール」では、子どもが駅の改札を通った時刻と駅名が保護者へ通知されます。通知方法はメールまたはJR東日本アプリから選べるため、親は忙しい時間帯でも通学状況をリアルタイムで確認できます。駅の改札を通過した時刻が分かるため、いつもと異なる時間帯の利用や、「通知が来ない=まだ駅を通っていない」といった状況を把握できるでしょう。予期せぬ途中下車や遅延などの異変に気づくきっかけとなります。
「まもレール」の大きな特長は、ICカードがあれば利用できるシンプルさです。専用機器の購入や、子どもに特別な端末を持たせる必要がなく、普段通学で利用しているSuicaまたはPASMOをそのまま登録するだけで利用できます。さらに、改札通過の際にチャージ残額も通知するため、チャージのタイミングの把握も可能です。親の負担だけでなく、子どもの操作の手間も軽減されるため、小学生から中高生まで幅広く利用されています。
「まもレール」を活用すれば、子どもの駅利用状況は把握できますが、危険な行動そのものは防げません。安全対策の効果を高めるためには、サービスと家庭で決めた行動ルールを組み合わせる必要があります。サービスとルールを併用すれば、親は過度な干渉を避けながら、子どもの日々の通学を見守れるようになるでしょう。
登下校や通学の途中には、子どもが思わぬトラブルや危険に遭遇する可能性があります。声かけやつきまといといった不審者の行動に加え、人通りの少ない道や駅構内の混雑など、子ども自身が危険に気づきにくい状況も考えられます。
家庭では、通学ルートの確認や威嚇ブザーの携帯など、日頃の備えが欠かせません。さらに、学校や地域と協力し、困ったときに支えが得られる体制を整えておくことも重要です。
特に、電車で通学する子どもがいる家庭では、「まもレール」のような見守りサービスが役立ちます。ICカードの改札通過情報が通知されるため、移動の様子を把握しやすくなります。防犯意識を親子で共有しながら、「まもレール」のような見守り機能を活用すれば、毎日の通学をより安心して見守れるでしょう。
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