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事故を防ぐ目的として労働現場で採用されている「ハインリッヒの法則」。1件の大きな事故の背景には、たくさんの小さな事故が隠れているという理論ですが、着目すべきは目に見えない「ヒヤリハット」です。
今回は、ハインリッヒの法則について解説し、日常にひそむヒヤリハットの事例と有効な対策をご紹介します。
ハインリッヒの法則は、「1:29:300」の法則ともいわれます。この数字は、アクシデントにおける被害の度合いを分類化したもので、「330件のアクシデントのうち、1件が死亡事故や重傷事故に発展するような重大案件、29件が軽傷で済んだ軽微な案件、300件が実害のない無事故案件」を意味しています。
ハインリッヒの法則は、米国の損害保険会社で安全技師を務めたハーバート・ウィリアム・ハインリッヒが提唱しました。
ハインリッヒは工場で発生したアクシデントや傷害事故を調査し、どんなレベルの有害事案がどのような比率で発生するかを分析。その結果、死亡や重傷といった大きな事故の裏側に、膨大な数の表面化しにくい日常的で些細な事案が横たわっていることを突き止めたのです。
ハインリッヒが提唱したこの説は、労働災害のリスクがひそむ職場で取り入れられるようになり、今となっては交通事故の防止や日常生活のリスク軽減の観点からも適用されています。
このことから、ハインリッヒの法則はいろんな現場のリスクマネージメントに通用しうる理論であることがわかります。
倉庫や製造工場、オフィスなどの労働現場、クルマと人が混じり合う交通社会、日常生活など、あらゆる場面に不慮の事故や不意に起こるトラブルの因子は隠れています。
労働災害でも交通事故でも日常のアクシデントでも、そこに問題があったと気づくのは被害が発生したときです。ところが、実際には重大事故にはならなかったものの、もしかすると大けがを負ったり救急車を呼んだりするような大きな事故だったかもしれない“ヒヤリハット”の存在があることも忘れてはいけません。むしろ、そのような何も対策を打たずに見過ごしてしまいがちな事案の数を少なくする対策に重点を置く重要があります。
重大事故になるか、「危なかった」で済むかは、ほとんど紙一重の差です。「無事故に偶然あり、事故に偶然なし」ともいいますが、「危なかった」を放置したままだと、いずれそれが重大事故につながってしまう可能性も否定できません。安全を徹底するには、このヒヤリハットのケースを極小化できるかどうかにかかっています。
「ヒヤリハット」とは、「ヒヤッとした」「ハッとした」から来た造語です。文字通り、「あやうく事故になるところだった」という、一歩間違えれば事故になるような状況や、けが人が出てもおかしくない出来事を指します。
先ほども述べた通り、事故の背後には、目に見えない「ヒヤリハット」がたくさん隠れています。何事も起きなかったからといってそのままにせず、そこにリスクファクター(危険因子)が潜んでいると問題意識をもって適切に対処することが、トラブルと無縁の平穏無事な生活につながります。
ケガもなく無事に済めば、何も問題なかったと人は思いがちです。繰り返しますが、重大事案になるかヒヤリハットで済むかは、くじ引きのようなものです。何も問題ないと切り捨てるわけにはいきません。実際に起きてみないとわからないからこそ、日頃の対策が重要だと心得てください。
ヒヤリハットをゼロにする考えを、日常生活にも取り入れましょう。家庭生活や外出時で感じた「危なかった」「何も起きなくて助かった」といった事案を家族で共有し、どのような対策を講じれば確実に事故を回避できるか話し合うのです。話し合いで決まったことを家族全員で実行すれば、事故につながるような芽を確実に摘み取ることができます。
仕事中や運転しているとき、いつもと変わらない日常生活でも、ヒヤリハットは存在します。そのとき気づかなくても、思い返してみて「あのときは危なかった」と気づく例もあるでしょう。
そんなヒヤリハットの事例を紹介していきます。
職場でのヒヤリハットには以下のような例があります。
転倒 |
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挟まれる・巻き込まれる |
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感電・火災 |
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衝突 |
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飛来・落下 |
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転落・墜落 |
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続いて車の運転中に起こるヒヤリハット。車に乗る人は、「心当たりある」という例も多いのではないででしょうか。
急ブレーキ |
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歩行者 |
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天候 |
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周囲の不規則運転 |
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日常生活にも、たくさんのヒヤリハットがあります。ほとんどが深く心にとどめずやり過ごしてしまいそうなものばかりですが、将来重大な事故がこの中から生まれる可能性もあります。
キッチン |
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リビング |
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風呂場 |
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庭 |
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ベランダ/階段 |
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日常にひそむヒヤリハットは、普段のちょっとした心がけや対策で減らすことができます。以下で、対策のポイントや具体例をご紹介します。
労働現場には、荷物の運搬や倉庫内作業、工場での機械の取り扱いなど、一歩間違えれば取り返しのつかない事故に発展するようなシチュエーションが数多くあります。
どんな状況でどんなアクシデントが想定されるか、リスク管理表のようなものをあらかじめ策定し、原因や状況分析、対策などの情報を職場内で共有することが有効策となるでしょう。
運転中のヒヤリハット対策で重要なのは、常に予測運転を心がけることです。「危険予測の運転」ともいいます。
「“だろう”ではなく“かもしれない”運転」を意識し、「飛び出してくるかもしれない」「急に止まるかもしれない」「急に割り込んでくるかもしれない」と常に危険を予測しながら運転することで、まさかの事態に遭遇しても体がうまく反応し、万が一事故になっても被害を軽減できます。
キッチンやリビング、風呂場など場所によって、どのようなヒヤリハットがあるか把握し、家族全体で共有するようにしましょう。
大人は大丈夫でも、子どもや高齢者にとっては危険なシチュエーションもあります。自分本位にならず、子どもや高齢者の目線になってリスク分析する姿勢が大切です。
防犯目的や火災への備えに導入されるホームセキュリティですが、ヒヤリハット対策としても有効です。ホームセキュリティがあると、転倒や急病といった日常のアクシデントに遭遇してもいち早く対処できます。
職場や運転中はいざ知らず、家の中は本来であれば気を緩めていい場所のはずで、ヒヤリハットがあるからと常に気を張ってばかりでは疲れてしまいます。最小限の注意でもリスクを最小化。これを可能にするのがホームセキュリティです。
火災やガス漏れ、泥棒の侵入などは、「うっかりミス」が原因で起こることがあります。「うっかり火を消し忘れた」「ガス漏れに気がつかず眠ってしまった」「うっかり鍵を閉め忘れた」……大きな事故や犯罪被害は、このようなときに起こりえます。人である以上、うっかりミスをゼロにはできません。このような気の抜けたときに事故や犯罪被害が発生しても、ホームセキュリティを導入していれば事案を最小限に抑えられます。
コンロ周りで火の手が上がっても火災を感知するセンサーや、ガス漏れを感知するセンサーもあります。いつ起きてもおかしくないうっかりミスをカバーしたり、事故を未然に防いだりする機能がそろっています。
注意力の低い子どもや、転倒リスクが高い高齢者にはより手厚いリスクマネージメントが必要となります。ホームセキュリティはこうした家庭内の不慮の事故も見守るサービスが充実しています。
例えば、一人住まいの高齢者がお部屋で転倒したとき、ワイヤレスの非常ボタンを押すことで自動通報し、パトロール員が急行します。何かあったとしても、すぐに異常を感知して対処できるところは安心です。
日常生活には、表面化していないだけでアクシデントやトラブルの芽となる要素が、数えきれないくらいに隠れています。これらは、ちょっとした注意不足や些細なミスから現れることがあるのです。重大事故の前触れとなるヒヤリハットを軽減するには、日頃の対策が欠かせません。今回ご紹介した対策などを参考にしながら事故の防止に努めてください。
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