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日本では高齢化が進んだことで、高齢者の一人暮らしが増えています。そして、他人や地域とのつながりが薄くなった結果、起こりやすくなるのが孤独死という問題です。家族と離れて暮らす高齢者が社会から孤立しないためには、どのような対策が必要でしょうか? こちらの記事で詳しく解説します。
高齢者の孤独死と思われるような事例は、どのくらい起きているのでしょうか?
内閣府公表の高齢社会白書『令和3年版高齢社会白書』にある、「東京23区内における一人暮らしで65歳以上の人の自宅での死亡者数」によると、令和元年(2019年)に孤独死(孤立死)として報告されたのは3,936人。死因が定かでなかったり事故で亡くなったりと、そのケースはさまざまですが、誰にも看取られず死後になって発見される事例が増えています。
※内閣府『令和3年版高齢社会白書』をもとに作成
孤独死は年々増加傾向にあり、平成27年(2015年)と比べ、800人以上増えています。
孤独死を自分の問題としてとらえている高齢者も少なくありません。
『令和3年版高齢社会白書』によると、孤独死を身近な問題だと感じる60歳以上の割合は全体の34.1%になります。
これが、「60歳以上の一人暮らしの割合」に限定されると、全体の50.8%(「とても感じる・15.9%」「まあ感じる34.8%」)に達し、5割を超える高齢者が孤独死は現実的にあり得ると考えているようです。
高齢者の一人暮らしだと、病気やケガをしたときのリスクが高く、万が一倒れても、助けを呼べない可能性があります。孤独死を身近な問題だと感じるかどうかは、暮らし向きや人間関係が大きく関わってくるといえます。
出典:内閣府『令和3年版高齢社会白書』
令和2年(2020年)現在、65歳以上の人口は3,619万人。総人口が1億2,571万人なので、日本の高齢化率は28.8%に達します。65歳以上の人口割合は今後も上昇し、令和47年(2065年)には38.4%にまで上がると見込まれています。
65歳以上の人口増加とともに、増えているのが高齢者の一人暮らしの数です。令和2年の65歳以上の一人暮らしの数は、約702万5,000人(女性約459万人、男性約243万5,000人)。10年前の平成22年(2010年)と比べ、総数は220万人以上増えています。
次に、社会的孤立や孤独死と結び付きやすい高齢者の近所付き合い状況、ならびに社会参加活動の現状についてみていきます。
近所付き合いの程度は、男性と女性ではっきりとした違いがみられます。
一人暮らしの65歳以上男性で一番多かったのが、「あいさつをする程度」で52.0%。「親しく付き合っている」は16.7%に留まっています。
これに対し、女性の場合は異なる結果がみられます。「あいさつする程度」との答えが全体の29.0%なのに対し、「親しく付き合っている」は34.6%で一番多い結果です。高齢の女性は男性と比べ、近所付き合いを大切にしている実態がわかります。
社会活動への参加状況は、どうなっているのでしょうか。
「働いている、またはボランティアや町内会、地域行事、趣味・お稽古など何らかの活動を行っている」と答えた60歳以上の男性は62.4%、女性は55.0%という結果です。
その活動量も、年齢とともに下がっていくようです。男性の場合、何らかの活動を行っていると答えた60~69歳が74.6%だったのに対し、70歳以上は51.7%。女性の場合は、60~69歳が69.6%で70歳以上は44.2%という結果でした。
いつまでも積極的に社会活動に参加するというわけにはいかないようです。孤立を防ぐためにも、自主的な活動が難しくなった高齢者に対しては、社会のほうから接点をつくることが必要かもしれません。
出典:内閣府「令和3年版高齢社会白書」
なぜ高齢者の孤独死が増えているのでしょうか?内閣府の調査から、以下のような原因が考えられます。
未婚率の増加や核家族化の進行により、高齢者の一人暮らしが増加しています。増加の推移に伴い、今後も孤独死の事例は増えていくことが予想されます。
令和2年(2020年)時点での65歳以上一人暮らしの数は702万人ですが、今後どんどん増えることが見込まれ、令和22年(2040年)には896万人にまで膨れ上がるとの予測が出ています。
一人暮らしで、なおかつ近所付き合いや他人との関わり、地域活動と縁の薄い状況が続くと、孤独死のリスクが高まるでしょう。
経済的な困窮も、孤独死を招く原因の一つです。
子どもとの同居、あるいは夫婦生活であれば、世帯収入が増えて家計も安定しやすくなります。しかし、一人暮らしとなるとそうはいきません。家族からの支援や年金だけでは足りない場合、自分が働いて生活収入を得る必要があります。
内閣府の調査結果では、「収入のある仕事はしていない」と答えた60歳以上は全体の62.7%で、「収入のある仕事をしている」と答えた37.3%を大きく上回っています。
男女ともに、収入のある仕事をしていると答える方の割合は、年齢が上がるほど低くなることが調査結果からもわかります。
65歳を過ぎて仕事をリタイアする方は多いでしょうし、身体や健康上の理由で働けなくなる方もいるでしょう。仕事をしていても、現役時代より収入が下がる可能性もあります。また病院に通う頻度が多くなれば医療費の圧迫は避けられず、経済力が不足すれば介護施設や老人ホームへの入居も難しくなります。
経済的な困窮も、孤独死と結び付きやすい問題です。
「親しくしている友人・仲間をもっている程度」との設問に対し、「友人・仲間はもっていない」と回答した一人暮らしの高齢者は、全体の11.4%(男性17.6%・女性7.4%)という内閣府の調査結果がでています。
夫婦のみの世帯だったり、子どもと同居だったり、家族がいる生活のほうが友人・知人のいると答える人の割合は高くなり、一人暮らしだと低くなることが全体の統計からみえてきます。
友人関係が乏しく、近所付き合いも希薄となれば、いざ何か困ることがあったときに誰も頼れません。問題が起きたときのセーフティーネットは一人暮らしの方ほど必要になってきます。
出典:内閣府「令和3年版高齢社会白書」
孤独死対策としてまず重要なのは、社会からの孤立をどのようにして防ぐかという視点です。一人暮らしの高齢者の社会的孤立を防ぐ対策や取り組みが、孤独死防止につながります。
具体的な方法についてみていきましょう。
将来的に孤独死が不安な場合、高齢者施設に入居する方法があります。
有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、グループホーム、特別養護老人ホームなど、さまざまなタイプの施設があります。要介護認定外の方でも入居可能な施設が増えており、以前よりも利用の間口は広く、相談もしやすいです。友人や仲間をつくりやすいうえに、職員による健康管理のサポートを日々受けられるため、安心で穏やかな生活を期待できるでしょう。
町内会や自治会など地域コミュニティへの積極的な参加や、同世代サークルや趣味の集まりといった社会活動に加わって周囲と交流を持つことで、友人や仲間も増え、何かあったときに頼れる存在をつくることが可能です。
他者や社会と積極的に関わりを持つようにする生活が、孤独死の予防につながります。
内閣府『令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査結果』では、「自治会、町内会などの自治組織の活動」「趣味やスポーツを通じたボランティア・社会奉仕などの活動」に参加していると答えた高齢者は、それぞれ21.8%、16.9%。合わせても全体の4割に満たない結果です。
一番多かったのが「特に活動はしていない」で63.3%。「体力的に難しい」「時間的な余裕がない」を活動しない理由として答える一方で、活動していなくても「活動する意思がある」と答えた方は全体の70.7%に達しています。
活動の意思があっても何らかの事情で活動できない方には、異なるアプローチからの対策が求められます。
出典:内閣府『令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査結果』
孤独死の問題は行政にとっても、重要な課題です。各自治体は、条例や規定を設け、事業者や地域住民と連携しながら、孤立しやすい一人暮らしの高齢者を見守る体制をつくっています。
対策や事業内容は各自治体で異なりますが、基本的には安否確認や声かけ、報告などを通して、一人暮らしの高齢者に何か異変が認められたとき、早急に動けるようにするための内容になっています。
例えば、身近な存在であるヤクルト販売業者や郵便事業者、電気ガス水道などのライフライン事業者、地域の見守り員が、訪問したときに安否の確認をする仕組みです。「郵便受けに新聞がたまっている」「洗濯物が干したまま」「最近見かけなくなった」などの異変があれば、自治体のホットラインへ通報します。これは各種の相談や連絡といった役割も担います。
自治体によっては、見守りのための福祉員を養成したり、職員が定期訪問したりするところもあります。
また、高齢者やその家族への支援を行う「地域包括支援センター」も自治体ごとに設置。社会福祉士や保健師、看護師、介護士などが配置されるこのセンターは、介護や健康などの各種相談や認知症の報告・相談ができる体制も整っています。
民間企業の見守りサービスも有力な対策です。
見守りサービスで重点が置かれるのは、高齢者の安否確認や生活反応の確認、異変があったときの緊急通報システムの構築です。安否確認の方法は、各企業の特色やサービス内容を生かしたものとなります。
例えば、郵便局員や宅配業者などは対面で会話をし、生活の様子を確認できます。ガス会社の検針員などは使用量に異変が確認される場合に報告。また、配食サービス会社の見守りでは、弁当の配達や会話を通して高齢者の安否や健康状態を確認するほか、食生活に関するアドバイスもしてくれます。
このように、定期的にスタッフが高齢者宅の様子を確認する見守りは「訪問型」と呼ばれるものです。これに対し、カメラやセンサーなどを利用者宅に取り付けて常時見守るサービスもあります。これらカメラ・センサー型見守りは、主に警備会社が得意とする分野です。
警備会社の特色は、センサーを使った見守り、緊急時の連絡・駆けつけサービスが充実しているところです。
問題が起きた場合、迅速な状況確認や、必要な対処をとることができます。
自宅内にセンサーを設置して、生活の様子を見守ります。緊急通報サービスを使えば警備会社のスタッフと会話によるコミュニケーションも可能です。生活反応を検知できないなどの異常がなくなるなどの異変が起きた場合には、警備会社が状況を把握して必要な対処します。
また、何か問題が起こったときに警備会社へ通報できる緊急ボタンもあります。連絡を受けた警備会社の指示でパトロール員が駆けつけてくれるだけでなく、あらかじめ登録された方へ異常をメールでお知らせすることもできるので、離れて暮らす家族も安心です。
CSPは、シニア向け見守りサービス「見守りハピネス」で24時間365日シニアの生活を見守ります。
体の具合が悪くなったときやケガをしたときなどに、緊急ボタンを押せばCSPスタッフとつながり、「見守りコントローラー」で会話が可能です。必要に応じてパトロール員が駆けつけます。また、ご自宅に設置したセンサーで、生活反応を確認するライフリズムサービスもあるなど、緊急対応が可能な安心のサービスがそろっています。
緊急通報サービスやライフリズムサービスのほかにも、「24時間365日、専門の健康相談窓口に相談ができるサービス」、日々の生活での困りごとを解決する「生活支援サービス」もあり、幅広くサポートを受けたい方におすすめです。
※「生活支援サービス」は有料オプションです
今後も増えていくことが予想される孤独死問題。対策としては、まず高齢者の社会的孤立を防ぐ取り組みが重要です。具体的には、高齢者施設の利用のほか、自治体のサポートや民間企業の見守りサービスの利用などが選択肢になります。老後の暮らし方については、本人や家族が早い段階から考えておくのがよいかもしれません。
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