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住まいの脅威となる侵入窃盗犯。彼らはどこから入ってくるかといえば、多くの場合「窓」です。家の建材のなかでももっとももろい箇所を利用して侵入を試みる犯罪に対し、どのような対策をすべきでしょうか? 今回は、侵入の手口や狙われやすい窓の特徴、有効な対策をご紹介します。
警察庁発表の統計(『住まいる防犯110番』令和2年度)によると、侵入犯罪の場所別認知件数で一番多いのが一戸建て住宅です。そして、侵入経路としてもっとも活用されているのが窓というデータがあります。
令和2年(2020年)の侵入窃盗の発生場所として、一戸建て住宅を狙った犯罪の認知件数は16,316件。うち侵入口として窓が利用されたのは8,726件、全体の53.5%を占めます。
ちなみに共同住宅(3階建て以下)をみても、窓を利用した侵入犯罪は2,021件(49.5%)ともっとも多い件数となっています。
侵入窃盗の3分の1を占める空き巣犯も、主にもろい窓ガラスを狙って忍び込みます。これらの実情からわかるのは、窓の防犯強化が侵入を防ぐ有効な対策になる、ということです。
出典:警察庁「住まいる防犯110番」
窓ガラスを壊して住宅に侵入する手口を「窓破り」や「ガラス破り」などといいます。その手法には、次のようなものがあります。
焼き破りは、その名の通りガラスを焼いてひび割れを起こす手法です。ガラスを壊すのにさほど時間がかからなく、音を立てずに忍び込める方法であることから、侵入犯が好んで用いることで知られます。
ガラスは急激な温度変化に弱い材質です。ライターやバーナーなどで熱を加えるだけで穴が開いたり、ひび割れを起こしたりします。一見丈夫そうに見えるガラスでも、性質や弱点を利用して簡単に破壊されることがある点を知っておきましょう。
こじ破りは、窓の鍵周辺に打撃を加え、指が入る程度の小さな穴を開けて解錠する方法です。ドライバーなど小さな道具が主に用いられます。大きな音は出ず、なおかつ素早く鍵を開けられる手口です。
打ち破りは、窓ガラスを物理的に割って侵入を試みる手法です。バールやドライバー、トンカチ、庭石など、ガラスを割れそうなものなら何でも使って強引に鍵を開けてきます。ガラスの割れる音はしますが、プロの泥棒なら慣れた動作で素早く実行するため注意が必要です。
空き巣や窃盗犯は、外側からでも簡単に鍵を開けられそうな窓を狙ってきます。窓そのものの特徴に加え、付近の状況や死角の有無、目立たない場所など、狙いやすいポイントはさまざまです。
窓ガラスの種類は、通常のフロートガラスから防犯ガラスまでさまざまです。なかには簡単に割れそうもない比較的強度の高い種類のガラスもあり、これらは一見すると防犯に役立ちそうな印象がします。しかし、プロの泥棒からすれば、防犯ガラス以外は侵入もそれほど難しくないと考えたほうがよさそうです。
ポピュラーなフロートガラスなどは、人がぶつかったり、何かの弾みで物があたったりしただけの衝撃で割れることがあります。厚みがなく薄い部類に入るため、割りやすく、侵入に時間のかからないガラスです。
フロートガラスより厚さのある複製ガラスや、防火用として用いられる網入りガラスでも、バールやドライバーなどを使えば割るのにそう時間はかかりません。フロートガラスより6倍の強度があるとされる強化ガラスには、防犯性を期待する声もありますが、実際にバールで叩くと10秒もしないで割れることもあります。
種類によっては強度があり厚みもあるガラスでも、道具さえ揃えば短時間で割るのは難しくないといえるのです。
泥棒は、基本的に目撃されにくい死角のある場所を好みます。外側から目につきにくい窓は、おのずと狙われる対象です。
植栽の陰に隠れたり、バルコニーでベランダの窓が見えにくかったりする場所だと、狙われやすくなります。「伸びすぎた枝は定期的に剪定して視界が開けるようにする」「バルコニーに照明をつけて明るくする」などの対応が問題解決に結びつくでしょう。
トイレや風呂場の窓が侵入されやすい理由として、換気目的で開けた状態にする機会が多い点が挙げられます。
窓を開けたままうっかり閉め忘れ、外出した隙を狙われることもあります。また、マンションのトイレ・風呂場の窓は小さいサイズのものが多く、「まさかこんな小さな窓から入ってこないだろう」と油断して開けたままにすることも。たとえ小さな窓、わずかな時間の外出でも泥棒は狙ってきます。きちんと施錠する習慣が大切です。
「面格子の窓は侵入されにくい」と思われてないでしょうか? 実は、格子窓によっては外側から取り外すことも難しくありません。
面格子で窓をカバーしていても、ドライバーで簡単に取り外すことのできるタイプもあります。面格子窓だからといって油断は禁物。防犯を考えるのであれば、外せない種類の製品を選びましょう。
掃き出し窓とは、天上に近い部分から床までつながっている引き違いの窓のことで、主に縁側やベランダに用いられます。侵入犯はここから宅内に入ってくるケースも多いことから、注意と対策が必要です。
掃き出し窓は、人の背丈くらいある大きなサイズです。ベランダや縁側に通じて出入りができるため、火事や地震など災害が起きたときの避難経路としても活用されます。
掃き出し窓は面積があるため、採光性を高め通気性をよくする効果があります。夏場などは掃き出し窓を開放して風通しをよくすることから、エアコンに頼りすぎなくても涼しさを実感できます。このようにメリットが多く、掃き出し窓の設置にこだわる家も少なくありません。
メリットの多い掃き出し窓ですが、空き巣などの侵入窃盗犯に悪用される点も見逃してはならないでしょう。以下のような特徴がある点に注意してください。
掃き出し窓は、人の出入りができる窓です。そのため、不審者が忍び込むのを周囲の住民が目撃しても、特別不自然には思わないかもしれません。
慣れた空き巣は自然を装って侵入してきます。よほど注意深く観察していない限り、異変を察知するのは困難です。そもそも一般の人は、他人の家の様子を細かく観察したりしないので、見過ごされる危険性があるといえます。このような点が、掃き出し窓の侵入増加を招く要因と考えられます。
掃き出し窓は大きいサイズのため、外側から室内の様子が目につきやすく、植栽や鉢物、カーテンなどで外からの視線を遮る工夫がされるのが一般的です。これが侵入犯の隠れ蓑となり、犯行を目撃しにくい要因にしています。
外の視線を気にするあまり、遮蔽物を置けば置くほど、泥棒にとっては都合のよい場所になりやすい点に注意してください。
掃き出し窓の鍵は、錠を回して開けるタイプのクレセント錠になっています。クレセント(三日月)の呼び名の通り、弓なりの形状をした金具で固定して鍵を閉める仕組みです。
防音や気密性の確保には効果があるものの、防犯性の低いのが難点です。打ち破りやこじ破りなどで窓を壊されると、簡単に解錠されてしまうことも。鍵の防犯性の弱さもまた、掃き出し窓からの侵入を多く許している原因と考えられます。
多くの空き巣が窓から入ってくることを考えれば、窓のガードを固める対策が欠かせません。具体的には次のような対策が有効です。
防犯性能の高い窓は「防犯ガラス」「合わせガラス」などと呼ばれます。2枚のガラスの間に特殊な樹脂フィルムを挟んだ構造になっており、割れにくく貫通しにくいのが特徴です。フィルムの厚さは約0.8mm~1.5mmほどあり、厚みがあることから高い防犯性能が期待できます。
防犯ガラスといっても、強い衝撃を加えれば割れてしまいます。しかし、そのほかの種類と比べて強度が抜群に高く、割れるまでに時間を要するため、侵入を企てる者は大いに手を焼くことになります。泥棒にとって1分1秒でも時間がかかるのは致命的な問題なので、住居の様々な場所に防犯ガラスを設置するだけでも効果を期待できます。
用途が防犯ではないものの、ガラスが2枚重ねになった「二重窓」もおすすめです。窓ガラスを割って鍵を開けるまで時間がかかるため、犯行を諦める可能性が高まります。
防犯フィルムは、窓の内側に特殊フィルムを貼って割れにくくするタイプの防犯アイテムです。全体的に貼る製品や、鍵の周りのみ貼る部分的なものもあります。
防犯フィルムの貼られた窓ガラスは、わずかな衝撃では割れません。相当力を入れて叩かないと割れないため、音が出やすくなります。音を立てずに実行したい泥棒からすれば厄介な存在です。途中で犯行をためらい、諦める可能性が高いでしょう。
防犯フィルムには他にも、「ガラス飛散防止効果で二次被害を防ぐ」「不透明タイプで室内の目隠しになる」などのメリットもあります。買い求めやすい価格なのもプラス要素です。
人が近づくと点灯する窓用センサーライトも侵入対策に有効です。人感センサーが人の動きに反応して周囲を明るく照らし、不審者の姿を浮き彫りにします。明るい場所を嫌う泥棒にとって、大きなプレッシャーになるでしょう。
製品によっては、防犯ステッカーやダミーカメラなどの付属品もあるため、より防犯効果が高まります。
窓に「ワンドア・ツーロック」の原則を適用して、侵入されにくい窓にしましょう。補助錠のあるほうが侵入に倍の時間がかかるため、泥棒の負担は大きくなり犯行をためらわせることにつながります。
補助錠の取り付け場所は、サッシの下部より上部がおすすめです。この場所だと外側から見つけづらく、わずかでも泥棒に時間をつくらせることになります。そのように少しでも相手が嫌がり、手こずるような工夫を意識してください。
外側から簡単に取り外せない面格子付き窓であれば、泥棒を寄せ付けずに済むかもしれません。その条件にあてはまるのは、頑丈で壊されにくいスチール製の面格子です。
一般的に面格子はアルミ製がほとんどですが、スチール製のタイプは強度が高く、簡単な工具では脱着できない構造になっているため、大きな防犯効果があります。この設置物があれば防犯ガラスでなくてもそう簡単に突破されません。
警備会社のホームセキュリティを導入することで、窓からの侵入犯に対して防犯対策が可能になります。「家全体のセキュリティを万全に固めたい」のであれば、ホームセキュリティの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
ホームセキュリティを導入すると、窓・ドアの各所にセンサーを設置し、侵入者の存在を検知する仕組みが出来上がります。警戒中のセンサーが侵入を検知すると、警備会社に自動通報され、パトロール員が急行するため、迅速な現地確認と被害の拡大防止が可能です。
センサーの取り付け場所は、事前に訪問した警備会社スタッフがお宅を拝見し、防犯上有効な場所を確認のうえ、提案します。長年の実績と知見を持つ警備会社の具体的な提案を受けられるのもメリットです。
ホームセキュリティ契約の家には、警備会社のステッカーが貼られます。空き巣などは事前に侵入しやすい家を物色して候補を決めるといわれ、ステッカーの貼られた家はリスクが高いとみて避けるかもしれません。
侵入を許さないためには、相手につけ入る隙を与えないことが重要なので、ステッカーの存在をアピールするだけでも防犯効果が上がります。
侵入されやすい窓には、「防犯性能がない」「見通しが悪く死角になっている」「警戒心が薄く無施錠になっている」などの特徴があります。侵入犯はバールやドライバーなどの小道具、バーナーなどの加熱器具を用いてガラスを壊して侵入してくるため、「壊しにくく、侵入しにくい」対策が重要です。防犯ガラスや防犯フィルム、窓用センサーライト、補助錠などのほか、ホームセキュリティも力になります。ライフスタイルやご自宅の環境を考慮しつつ、マッチするものをお選びください。
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