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留守宅に忍び込み、金品を盗む空き巣。住人のいない隙を狙う窃盗は後を絶ちません。彼らは犯行から逃走までを考え、周到に下見をしたうえで盗みに入ります。つまり、「狙いやすい家」を事前に物色しているのです。
どんな家がターゲットにされるのか、その特徴を知ることで、どこを改善してどう強化するかの対策がみえてきます。今回は、空き巣の手口や狙われやすい家の特徴、効果的な防犯対策をご紹介します。
警察庁発表によると、2020年(令和2年)の空き巣認知件数は13,865件。年々減少傾向にあるとはいえ、逃亡を許すケースもあり、警戒と対策が怠れません。
悪質な犯罪は、どのような手口で起きるのでしょうか。警察庁発表の統計(『令和2年の刑法犯に関する統計資料』)から、空き巣の手口や侵入に利用される出入口などをみていきましょう。
窓ガラスを割って侵入したり、鍵のかかっていない家(無締まり)に忍び込んだりする犯行が目立ちます。
以下は統計資料から主な手口と件数を抜粋したものです。
一戸建て住宅 | 共同住宅(3階建以下) | 共同住宅(4階建以上) | |
---|---|---|---|
無締まり | 3,662件 | 1,478件 | 549件 |
ガラス破り | 4,012件 | 829件 | 231件 |
施錠開け | 347件 | 420件 | 355件 |
ドア錠破り | 239件 | 42件 | 33件 |
認知件数 | 9,297件 | 3,151件 | 1,417件 |
侵入犯全体(侵入窃盗・侵入強盗)でみると、主に無締まりの家が狙われやすい傾向があります。空き巣の場合は、一戸建て住宅に関しては窓のガラス破りを多用するところに特徴があります。
侵入犯は鍵がかかっていても巧妙な手法で戸口の解錠を試みます。主なものを取り上げますので、対策の参考にしてください。
窓ガラスを破って侵入する手口です。ガスバーナーやライターでガラスを焼いて穴を開け、手を入れて解錠します。鍵を開けるまでほんの数秒程度で、物音もほとんどしません。家を出てすぐに帰ってきても、その短時間で被害に遭う可能性もあります。
ドアと壁の間にバールなどの工具を挟み込み、てこの原理でこじ開ける方法です。一般的なドアや防犯性のない鍵では簡単に開いてしまいます。
ピッキングと呼ばれる特殊工具を鍵穴に差し込み、鍵を開ける方法です。一般的なドア錠ではピッキングの前に無力といってよく、1分もかからず侵入されます。
サムターンと呼ばれる、内側のドアロック用つまみを回して解除する手口です。ドリルで穴を開ける、ドアスコープから特殊工具を挿入するなど、さまざまな方法によるサムターン回しの被害例があります。
特殊工具を用いてシリンダー(鍵穴)を引っ張り、その隙間から道具を入れて解錠する方法です。「バイパス解錠」とも呼ばれます。
侵入場所には「窓」が多く使われる傾向です。
一戸建て住宅 | 共同住宅(3階建以下) | 共同住宅(4階建以上) | |
---|---|---|---|
窓 | 5,554件 | 1,689件 | 452件 |
表出入口 | 1,489件 | 1,127件 | 790件 |
非常口 | 5件 | 2件 | 0件 |
その他の出入口 | 1,291件 | 53件 | 10件 |
認知件数 | 9,297件 | 3,151件 | 1,417件 |
これらのデータから、窓や出入口の防犯強化が重要だとわかります。
留守の時間に忍び込む空き巣が狙い目とするのは、おのずと家を空けやすい時間帯となります。
多くの家は、仕事や学校の都合で朝から夕方までの時間留守になりがちです。警察庁の統計資料をみても、10時から15時にかけて侵入されている例が目立つようです。
窓ガラスや表玄関の防犯を強化し、わずかな時間の留守も戸締まりを怠らない。これが最低限心がけるべき空き巣対策といえます。
参考:警察庁「令和2年の 刑法犯に関する統計資料」
空き巣はターゲットとなる家の情報を集めるために、事前の下見を行います。
空き巣が下見の対象にするのは家だけではありません。周辺の環境も細かくチェックします。
家自体は忍びやすくても、近くに交番があったり、にぎやかで人通りの多い場所だったりすると、発覚や通報の恐れが高まります。また、外灯が多く防犯カメラをいたるところに設置する地域も、彼らにとって都合が悪い条件です。空き巣が好むのはこれらと正反対の「外灯が少なく防犯カメラもない」「人通りが少なくいつもひっそりとしている」「周りに家が少ない」などの条件がそろうエリアだといえるでしょう。
また、駅からそれほど離れていないマンションや戸建てを狙う傾向もあります。駅から徒歩圏内であれば、犯行後すぐに逃亡を図れるためです。目立たず侵入できて、なおかつ逃げやすい。地域単位で下見するのは、この条件にあてはまる家を見つけるためだといえます。
留守の多い家かどうかは、空き巣にとって極めて重要なポイントです。事前の下見で家を空けやすい時間帯もチェックされると考えてよいでしょう。具体的には、以下のような方法で留守かどうかを確かめています。
なかでも多いとされるのが、インターホンを押して応答の有無を確かめる方法です。在宅であれば応じるケースが多くなるため、留守かどうかの把握もしやすくなります。
もちろん、地域の防犯体制が弱く不在の多い家でも、強固な防犯対策があれば高い確率で犯行を防げるでしょう。反対に、たやすく侵入できそうな家は狙われやすくなります。
では、どのような家を狙いやすいと考えて侵入するのでしょうか?
一戸建て・マンションでは、狙われやすい特徴も変わってきます。
空き巣は、以下のような特徴の一戸建てを好みます。
基本的に、「死角がある」「見通しが悪い」「上りやすい」などの特徴を空き巣は好みます。侵入が容易なうえに、人目に触れにくい特徴があるためです。
見通しの悪い場所はないか、簡単に2階ベランダまで上がりやすい環境になっていないかを確認し、それに合わせた対策が重要です。
特徴として、1階・2階などの低層階のマンション・アパートは侵入しやすくなります。警察庁の統計資料をみても、共同住宅における空き巣の認知件数は3階建てのほうが4階建てより倍以上多い傾向です。
防犯カメラがなく管理人不在といった、防犯体制が不十分な物件であれば、なおさらそのリスクが高まるでしょう。
もちろん高層階のマンションでも油断は禁物。特に最上階の部屋は屋上からベランダを経由して侵入する事例もあり、注意が必要です。屋上とつながる非常階段や裏口の厳重管理が対策として有効となります。
住民による相互監視がなされるかどうかも、大きなポイントです。共同住宅では住人か不審者かの区別がつきにくく、犯罪を見過ごされるケースもあります。特に入居して日が浅い新築のマンションは隣人でも顔見知りになっていないことが多く、監視の目が十分に行き届きません。防犯カメラやオートロック頼みとならず、できる範囲での対策強化が求められます。
令和元年の空き巣認知件数は、一戸建て住宅9,297件に対し、共同住宅は4,568件となっています。統計だけみると、一戸建て住宅はマンションよりも狙われやすい傾向にあるといえるかもしれません。
その理由として、一戸建てはマンションと比べ、窓が多くなる点が考えられます。住宅窃盗犯にとって有効な侵入口となる窓の設置数が多いことは、防犯上不利な点だといえます。窓の多い家はより一層窓の防犯対策が欠かせません。
また、一戸建て住宅は、留守の確認も敷地内の侵入も、マンションと比較して容易です。塀や植え込みなど目隠しとなる材料が多いためで、このような空き巣にとって好都合となる部分を減らす対策も求められます。
ただいたずらに心配する必要はありません。大切なのは、こうした特徴や弱点を踏まえ、できる限りの対策を打つことです。空き巣が嫌がるような工夫を凝らし、狙われるようなポイントをつぶしていけば、被害に遭うリスクを抑えられます。
窓ガラスや表口から侵入する空き巣に対しては、出入口の守りをしっかり固める対策が有効となります。
空き巣は簡単に割れて解錠できる通常の窓ガラスを好みます。そのため、手を煩わせるような厄介な窓だとわからせることが肝要です。侵入が困難だとわかればそう簡単に手を出せなくなります。
具体的には以下のような対策やアイテムが効果的です。
防犯用として販売されている窓は通常のガラスと比べ割れにくく、侵入に時間がかかります。防犯窓ではないものの、ガラスが二枚重ねになる二重窓も有効です。
通常の窓ガラスであっても、防犯フィルムを貼ったり、補助錠を取り付けたりするだけでも侵入を阻止しやすくなります。
窓をカバーする面格子も空き巣対策に有効ですが、設置するのであれば外側から外しにくい対イプを選ぶこと。そうでないとドライバーなどで簡単に外される危険性があります。
1つのドア(窓)に2つの鍵を取り付ける「ワンドア・ツーロック」の原則を防犯に生かしましょう。2つ鍵の付いたドアや窓は侵入に時間がかかるため、空き巣からすれば嫌なはずです。補助錠の取り付けはパールによるこじ開け対策にもなります。
サムターン回しやピッキング対策用の鍵もあるため、これらのタイプを補助錠として取り付けツーロックにすれば、侵入阻止に大きな効果が期待できます。
犯行に及んだとしても途中で諦める可能性も出てきます。実際、空き巣は解錠に5分以上時間がかかるとみれば侵入を諦めるといったデータもあるくらいなのです。
死角の多い場所は犯罪を呼び込みやすいゾーンになります。死角をなくして監視対象を広げる監視カメラの設置は、大きな防犯効果が期待できます。
空き巣対策として監視カメラを取り付けたいのは、侵入ルートになりやすい玄関や窓。高い塀や植え込みで死角になっていたとしても、しっかりと監視する態勢になっていることで犯罪を抑止できます。
監視カメラのほか、周囲を明るく照らす防犯ライトや、不審者の侵入を検知する防犯センサー、歩くだけで音がする防犯砂利なども有効です。照明や音のなる装置など、空き巣が嫌がる工夫をして、家に寄せ付けないようにしましょう。
空き巣は事前に下見をし、候補となるようなターゲットを探します。「室内の様子が外から丸見え」「家の周辺が散らかっている」「ポストに郵便物やチラシがたまっている」「ベランダに洗濯物が干しっぱなし」などの家は、脇が甘く警戒心がゆるい印象を与えてしまうかもしれません。
外から屋内の様子がみえないような工夫を施し、家周辺や郵便ポストは整然とした状態にしておきましょう。こうした地道な取り組みと習慣が、空き巣の目をそらし、家と財産を守ることにつながります。
帰宅が遅くなりそうな場合は、ベランダに物を干さない心がけも大切。夜遅くまで洗濯物が出しっぱなしだと、不在であることがわかってしまう可能性が高くなります。外出の際、特に帰宅の遅い日は部屋干しがおすすめです。
空き巣は侵入しやすい家を選んで犯行を試みるケースが少なくありません。反対に、窓もドアもベランダもガードが堅く手ごわそうなイメージがする家は、忌避する可能性が高いといえます。
警備会社のホームセキュリティに入った家は、まさにそのようなイメージを与える条件を備えます。また、ホームセキュリティ加入の家には警備会社のステッカーが貼られるため、防犯対策が万全であるアピールになります。
具体的には、窓や玄関ドアにセンサーが設置されていること、センサーが侵入を検知して警備会社へ通報が届くことなどです。空き巣に対して、大きなリスクを抱えたうえでの犯行になるとわからせることができます。
そのため、空き巣を含む侵入犯対策を高めるなら、24時間365日警備会社が駆けつけてくれるホームセキュリティの導入がおすすめです。
空き巣は主に、戸締まりしない家や窓ガラスから侵入しやすい家を狙って犯行を企てます。事前に警戒がゆるく成功を高めやすい家を探ってくる傾向を踏まえ、どのような家の特徴が狙われやすいかを知りましょう。それによって気を付けるべき点や、有効な対策が何なのかもわかります。
防犯窓や監視カメラの設置に加え、ホームセキュリティも大きな効果が期待できますので、空き巣対策として利用を検討してください。
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