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地震対策のポイント。役立つ防災グッズや避難所での防犯対策も

公開日:2022年11月18日

地震対策のポイント。役立つ防災グッズや避難所での防犯対策も

日本は世界でも類を見ない地震大国。小規模の地震や余震は日常的に起きており、まれに甚大な被害をもたらす大規模地震も発生します。想定される被害は建物の倒壊だけでなく、倒れた家具の下敷きや火災、津波、ライフラインの断絶、地割れなど、被災すれば当分の間は日常生活を取り戻せません。このような大規模地震は予測が困難なことから、食料や日用品、防災グッズの事前確保が重要となります。

こちらでは、ご家庭でできる地震対策や役立つ防災グッズのほか、二次災害防止として防犯対策をご紹介します。

地震発生で何が起こる?

地震が怖いのは間違いありませんが、揺れて終わる程度の小さな規模であれば、ほとんどの場合、大きなケガをせずに済みます。問題は、震度の強い大規模地震です。地震の揺れの大きさを表す震度の最上位は「震度7」。この規模になると、家屋の全壊や倒壊があちこちで起きてもおかしくありません。一般的に、震度が強ければ強いほど大きな被害が予想されます。

過去に甚大な被害をもたらした震度7クラスの地震といえば、「阪神・淡路大震災」(1995年1月)、「新潟県中越地震」(2004年10月)、「東日本大震災」(2011年3月)、「熊本地震」(2016年4月)です。ちなみに関東大震災(1923年9月)は震度6以上の規模だったといわれます。また、観測こそされていませんが、「鳥取県西部地震」(2000年10月)や「新潟県中越沖地震」(2007年7月)も、被害規模から推定して震度7相当の揺れがあったとする見方もあります。

時間帯や震源地も被害の規模を左右します。早朝に発生して逃げ遅れた人が続出し、大きな犠牲を生んだ阪神・淡路大震災。震源地が沖合だったために、大津波による壊滅的打撃を受けたのが東日本大震災。津波を伴うような地震には、特に注意しなければなりません。 震度の強い地震が発生すると、具体的にどのような被害が起こり得るかを以下でご説明します。

家具や家電の転倒

大きな地震の発生でまず懸念されるのが、家屋の倒壊や家具の転倒・転落です。多数の犠牲者が発生した阪神・淡路大震災や新潟県中越地震などでは、倒れてきた家財の下敷きになって亡くなる方も少なくありませんでした。揺れの大きな地震には、家具類の転倒がつきものだと認識しておく必要があります。

火災

過去に起きた大規模地震では、火災も発生しています。地震で出火原因となるのは、停電から通電時に起こる火花、漏れたガスなどです。これに風向きや風の強さといった要素が加わると火の勢いは増大します。関東大震災では秒速10メートルほどの風が吹いており、焼死者は9万人に達しました。また、阪神・淡路大震災のときはほぼ無風状態だったのですが、それでも逃げ遅れた人がいて500人ほどの犠牲者が出ています。

断水

大きな地震が発生すると、水道・下水道施設の被災も免れません。地中に埋められた水道管は揺れの衝撃を受けて、継ぎ手部分が外れるなどの破損が起きてしまいます。

水道管の破損によって起こり得るのは、断水・濁水や、地上への噴出などです。水道管が被災すると復旧するまでは上下水道を使用できません。トイレやお風呂も使用できない不便な状況が続きます。

津波

東日本大震災では、街全体を覆うほどの大津波が発生しました。地震が発生すると、必ず津波に関する情報が出されるのはご存じでしょう。これは、海底を震源とする地震には、津波発生のリスクが伴うからです。津波とは、海水面の盛り上がりが大きな波を起こす現象で、大津波レベルになると大量の海水が巨大な塊となって陸地に押し寄せます。津波のエネルギーは膨大であり、50センチメートルほどの高さでも車を押し流す威力があります。

犯罪被害などの二次災害

地震では直接的な被害だけでなく、空き巣や性犯罪などの犯罪被害にも注意が必要です。被災地の住宅を狙った犯罪が東日本大震災時に起きて問題となりました。

地震対策は平時から

大規模地震の予測は困難です。だからこそ、常日頃からの備えが大切です。以下では、ご家庭でできる地震対策をご紹介します。

家具・家電を固定する

いつ起きてもおかしくない大規模地震に備えるためにも、耐震グッズを用意して大型の家具・家電が倒れないよう固定化しましょう。

耐震用グッズは、以下のような大き目の家具に適しています。

  • 本棚
  • 冷蔵庫
  • 食器棚
  • テレビ
  • 壁掛け時計

転倒を防止する製品以外にも、耐震マットや耐震クッションなど衝撃を和らげるアイテムもあります。ホームセンターで購入できるものばかりなので、防災用品としてそろえておきましょう。

割れ物を収納する食器棚や、重量ある蔵書などを収める本棚に関しては、中のものが飛び出さないようにする扉開閉防止グッズとの併用がおすすめです。窓や扉のガラス割れ防止に対しては、ガラス飛散防止フィルムを有効活用しましょう。

転倒防止対策と同じく心がけたいのが、家具・家電を安全な場所に配置する工夫です。枕元の本棚やテレビが倒れてきたら、その被害は計り知れません。これら重量のある家具・家電類がベッドや布団の傍にある場合は、もしものリスクに備え離れた安全な場所に移動させましょう。

火災防止対策

地震の後には火災の二次災害を想定するべきです。火災を起こさず、万が一起きても被害が広がらないような対策を心がけましょう。

まずガスコンロですが、都市ガスやプロパンガスは、震度によって自動的にガスの供給を止めるよう設定されています。ただし、加熱された油などから出火することがありますので、ガスコンロの脇に燃えやすいものが置いてないかの確認も大切です。安全装置があるからと安心するのではなく、配置や周辺物までを考慮して安全対策を施しましょう。

そのほか、以下のようなポイントも重視してください。

  • 石油ストーブのそばに燃えやすいものを置かない
  • 通電火災を防ぐため、地震による停電中はブレーカーを落とす
  • 調理中に地震が起きた場合は 揺れがおさまってから、あわてずに火の始末をする

避難場所・避難ルートの確認

災害時の避難を迅速に促すための避難ルートおよび避難場所があらかじめ決められています。これらの情報を、大地震が起きたときに確認するのは簡単ではありません。いざ災害が起きても慌てずに避難できるよう、避難場所と避難経路を事前に確認しておくのが大切です。

各自治体HPや国土交通省ハザードマップポータルサイトから、避難ルートや避難場所を記した防災マップが入手できるようになっています。避難場所は豪雨や津波、火山噴火など災害の種類によって異なるため、地震や津波のときに避難できる安全な場所を事前に把握しておくようにしましょう。

ハザードマップポータルサイトはこちら

飲料・食料・生活必需品の備蓄

電気やガス、水道などのライフラインが止まってしまう非常時では、食料や飲み水の確保が難しくなります。

災害時に備え、平時から保存のきく飲料水や食料水を備蓄しておきましょう。

飲料水であれば一人あたり1日3リットル分、非常食(米、乾パン、ビスケットなど)やトイレットペーパー、ティッシュペーパー、ろうそく、カセットコンロなどの生活必需品をそろえておくと安心です。

安否確認方法の共有

家族がそれぞれ別の場所で避難することになった場合に備え、安否確認の方法や集合場所などを事前に決めて共有しておきましょう。

災害時では回線がパンク状態になって、電話もメールもつながりにくくなります。通常の連絡手段が使えない場合は、以下のサービスを利用してください。

災害用伝言ダイヤル

電話番号は局番なしの「171」。家族あてにメッセージを残せます。公衆電話や携帯電話、PHSからの通話も可能です。

詳細はこちら

災害用伝言版

インターネットから文字情報を登録しておくことで、家族に居場所などを伝えることができます。

詳細はこちら

安否確認サービス

あらかじめ登録された従業員や家族へ、災害発生時に自動的に安否確認メールを発信。メールへの応答によって安否状況の集計や、連絡掲示板機能を備えたサービスです

詳細はこちら

避難所生活に必要な防災グッズ

防災グッズや備蓄品の確保と運搬に欠かせないのが、非常用持ち出し袋です。災害時の避難生活で必要となる食料や飲料、生活必需品を事前に詰めておき、いざというときは袋ごと持ち運びます。

非常用持ち出し袋には、以下のような非常用品を保管しておきます。

最低限必要なもの あると便利なもの

・非常食(乾パン、缶詰、インスタント食品、チョコレートなど保存のきく食品)

・飲用水

・懐中電灯

・乾電池

・LEDヘッドライト

・現金

・通帳、免許証、健康保険証

・お薬手帳

・眼鏡、コンタクトレンズ

・使い捨てカイロ

・カセットコンロ

・携帯電話の充電器

・ラジオ

・ヘルメット、防災ずきん、ホイッスル

・防寒着、雨合羽

・手袋

・マスク

・簡易トイレ

・ビニール袋

・タオル、ハンカチ

・ビニールシート

・テープ

・ランタン

・安全ピン

食事や飲料水は、人数分を揃えておきます。

上記のアイテム以外にも、女性なら生理用品や化粧品、防犯ブザー、高齢者なら補聴器や入れ歯、要介護者なら介護アイテムが必要になるでしょう。乳幼児がいる場合では、粉ミルクや哺乳瓶、離乳食、紙おむつなどの備蓄を検討してください。

最低限必要なものを確保しておきたいところですが、荷物が多すぎるのも問題です。かさばりすぎて移動が困難になります。移動のしやすさも考えて、なるべくコンパクトにおさまるような工夫も心がけてください。

防犯グッズや防犯対策もあると安心

大規模災害では防災だけでなく、防犯対策も重要です。避難所や仮設住宅暮らしを安心安全に過ごすためにも、窃盗や性犯罪予防となる防犯アイテムを準備しておきましょう。

ここでは、避難生活に備えて用意したい防犯グッズと対策をご紹介します。

防犯ブザー

性犯罪予防に女性が所持しておきたいアイテムです。身の危険が迫ったとき、大きな音を出して周囲に知らせることができます。コンパクトな製品なので携帯も難しくありません。

防犯ブザーを選ぶなら、80㏈以上の音量が出る商品がおすすめです。これくらいの音量が出れば、やや離れた場所にまで響き渡らせることができます。予備電池も一緒に確保すると安心です。

防災用ホイッスル

身の危険を周囲に知らせるアイテムには、防犯ブザーのほかに防災用ホイッスルがあります。防犯ブザーとの違いは、電池を使わず息を吹きかけるだけで音が出せる点です。電池切れや故障で、いざというとき使えないといった心配はありません。

ただし、襲われるような状況で息を強く吹きかける動作が冷静にできるのか、といった問題はあります。その点を考慮すると、弱い力でも音が出せるタイプや、ボタンを押すだけの電子のホイッスルがよいでしょう。

防災用ホイッスルには、情報共有の使い方ができる利便性もあります。氏名や住所、血液型などを記載したIDカードを収納できる製品もあるため、救命措置が必要となった場合に役立ちます。

催涙スプレー

催涙スプレーは、相手にスプレーを吹きかけて怯ませる防犯アイテムです。離れた場所からでも使用できるため安全面のメリットが高いといえます。

リップやペンシルなどの形状をした製品もあり、小型で持ち運びやすい点もメリットです。

空き家状態の自宅の防犯対策

避難所生活の間は、自宅が空き家同然の状態になります。住む人も管理する人もいない状況が長く続くのは、防犯の面からも問題です。そこで検討したいのが補助錠の導入。出入口が二重にロックされて防犯性能は格段に向上します。このように自宅の防犯をしっかり行うことで避難中の不安を軽減できます。

貴重品は常時身に着けておこう

財布やカード類なども避難所に持参することになります。こうした貴重品は、手放さず常時身に着けておくのが大切です。持ち物がなくなるとどうしても周りの避難住民を疑いたくなります。紛失や盗難を防ぐためにも、なくしては困る貴重品などは24時間肌身離さず保管するようにしましょう。

子どもたちが一人で行動しないよう見守る

避難所に子どもがいる場合は、なるべく一人にさせないよう注意しましょう。子ども同士で遊ぶときも保護者が付き添うようにします。トイレにも昼夜問わず大人が付き添いましょう。きちんと大人がついている状態を周囲にアピールすることで、犯罪抑止効果が上がります。

まとめ

甚大な被害を引き起こす大地震は予測が困難です。だからこそ事前の備えが大切になります。非常用持ち出し袋を用意し、数日分の食料や飲用水、生活必需品などを保管しておきましょう。避難生活の間は自宅が空き家同然になってしまうため、合わせて防犯対策もあるとなお安心です。

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